コレクション: 宮城正幸

「使いたくなる道具」をつくりたい。

 

 

果たして「使いたくなる道具」とはどのようなものだろう。まずは形や重さといった機能性。宮城さんの器は一見素朴なようでいて、実はキリッと無駄のない形をしている。そして見た目に比して軽く、使いやすい。なるほどこの「使いやすさ」は「使いたくなる」ための必須条件だし、ご本人も大切にされているものだと仰るのも、よくわかる。

 

しかしいま求めるのは「使いたくなる」道具である。ただ「使いやすい」だけならば、量産された工業製品でも良いわけで、そこにはやっぱり手の仕事にこそ宿る何かがあるのではないか。

 


宮城さんの器で言えば、それは一つの皿に共存する複数の素材の質感。あるいは釉薬の溜まりが描く無窮の奥行き。こうした器ひとつひとつの「味わい」が、ときに食材を活かす絶好の背景となり、またあるときには料理の顔を決める主役級の働きを見せる。じっさい彼がつくる器は、いま多くの料理人たちに支持されている。そう、それは確かに「使いたくなる」食器であるわけだ。

 


「僕がつくっているのは、所詮道具ですから」と宮城さんが言うとき、そこには職人としての奥ゆかしさとプライドが同居している。その証拠に、宮城さんは日々、製作作業のなかに小さな実験を折り込むことを止めない。沖縄の工房で今日も発明される新たな器の「味わい」こそが、明日のあなたの「使いたくなる道具」を完成させることを、彼はきちんと知っているのだ。

 

 

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